遠回りの中にある幸せ
こんにちは。WATANABE FARMのワタナベです。
世の中では「コスパ」「タイパ」という言葉が飛び交っています。
確かに便利になり、時間やお金を効率的に使える時代になりました。けれども、じゃあそれでみんなが幸せになったのか?と考えると、どうも違う気がします。
コスパを追いかけすぎると「とにかく安ければいい」という価値観になりがちです。
でも安さの裏には質の低下があったり、使い捨ての感覚が広がったりする。結局「ものだけが溢れる世の中」になってしまうのではないでしょうか。
ある時、会社の後輩がこんなことを言いました。
「Netflixは1.2倍で見ますよ。調子がいい時は2倍速です」
私は正直、納得がいきませんでした。
ひとつの作品には、何人もの大人が時間と情熱を注ぎ込んでいます。
その中には「間の取り方」や「余韻」こそ大事にしている場面もあるはずです。倍速再生では、その本質が伝わらないこともあるのではないかと思うのです。
もちろん、効率を求める生き方を否定するつもりはありません。
ただ、私はどうやらそうはなりたくない。遠回りしてでも、ひとつひとつの物事ときちんと向き合いたい。そんな風に思うのです。
遠回りを選んできた人生
振り返れば、私は38年間、ずっと遠回りを選んできました。
遠出するのも車。マイホームは新築ではなく、築120年の古民家。冬の暖を取るために薪ストーブを使い、毎年5トンもの薪を割っています。
「そんな面倒なことをわざわざ?」と言われるかもしれませんが、私はそれが好きなんです。手間はかかりますが、炎の揺らぎや木の温もりに何とも言えない豊かさを感じられる。
そしてブルーベリー農園もまた、同じ。
苗をひとつずつ買ってきては植え、毎朝水を与え、葉や実の調子を観察する。決して効率的な作業ではないけれど、その積み重ねが実を結ぶ瞬間は何にも代えがたい喜びです。
幸せは「効率」では測れない
今の時代、効率化された便利な生活は誰でも手に入れられます。
でも、本当に心が満たされる幸せは「効率」とは別のところにあるのではないでしょうか。
時間も手間もかかるけれど、ひとつひとつ丁寧に向き合う。
遠回りに見えるその選択の中に、自分らしい幸せが隠れている。
ブルーベリー農園も、きっとその象徴です。
毎日の小さな積み重ねが、大きな実りにつながっていく。その過程そのものを私は楽しんでいます。
だからこれからも、効率だけでは測れない「ホンモノの豊かさ」を、ブルーベリーを通して皆さんにお届けしていきたい。
そう思っています。